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プロバイオティクスとプレバイオティクスの違いとは?食品例と取り入れ方をやさしく解説

プロバイオティクス(ヨーグルトの乳酸菌)とプレバイオティクス(玉ねぎ・ごぼう・バナナ・豆など)が腸に届くイメージのイラスト 腸活と発酵食品

ヨーグルトやサプリメントのパッケージで、「プロバイオティクス」「プレバイオティクス」という言葉を見かけることが増えました。

一文字違いの似た言葉なので、「どう違うの?」と迷ってしまいますよね。

この記事では、2つの言葉の意味と違いを、身近な食品の例を使ってやさしく解説します。

両方を組み合わせる「シンバイオティクス」や、商品を選ぶときの表示の見方も紹介します。

3行でわかるこの記事の結論

• プロバイオティクスは、体に役立つ生きた菌のことです(乳酸菌やビフィズス菌など)。
• プレバイオティクスは、腸の中の良い菌のエサになる成分のことです(オリゴ糖や一部の食物繊維など)。
• 「菌を入れる」と「菌を育てる」。食事では両方を組み合わせるのがおすすめです。

プロバイオティクスとは?

プロバイオティクスとは、体の健康に役立つ働きをする生きた微生物(菌)のことです。

言葉のもとは、「共に」「〜のために」を意味する「プロ(pro)」と、「生きる」を意味する「バイオシス(biosis)」です。

抗生物質(アンチバイオティクス)が「菌をやっつける」ものなのに対して、プロバイオティクスは「菌の力を利用する」という考え方です。

腸内細菌学会の用語集では、「腸内フローラのバランスを改善することによって宿主の健康に好影響を与える生きた微生物」(Fuller、1989年)という定義が紹介されています。

現在の国際的な定義では、「十分な量を摂ったときに、健康に良い働きをもたらす生きた微生物」とされています。

代表的な菌

  • 乳酸菌(ラクトバチルスなど)
  • ビフィズス菌
  • 酪酸菌など

大切なのは、同じ乳酸菌でも、菌株(きんかぶ)ごとに働きが違うことです。

菌株とは、同じ種類の菌の中でもさらに細かく分けた「個性」のようなもの。商品に「○○菌 △△株」と書かれているのはこのためです。

発酵食品=プロバイオティクスではない

ヨーグルトやぬか漬けなどの発酵食品には菌が含まれますが、すべてがプロバイオティクスというわけではありません。

プロバイオティクスと呼べるのは、どの菌がどのくらい入っていて、人で健康への役立ちが確かめられているものです。

一方、味噌やしょうゆのように、加熱されて菌が生きていない発酵食品もあります。

ただし、プロバイオティクスでない発酵食品にも、うま味や栄養などの良さはあります。

あわせて読みたい:腸活に発酵食品がいい理由と選び方

死んだ菌も注目されている(ポストバイオティクス)

最近は、加熱して死んだ菌や、菌が作った成分にも健康への役立ちがあるかが研究されています。こうしたものは「ポストバイオティクス」と呼ばれ、国際的な学会が2021年に定義を発表しました。

「殺菌乳酸菌」と表示されている商品は、こちらに近い考え方です。

プレバイオティクスとは?

プレバイオティクスとは、腸の中の役立つ菌のエサになり、その菌を増やしたり働かせたりする食品の成分のことです。

腸内細菌学会の用語集では、1995年に提唱された「大腸内の特定の細菌の増殖および活性を選択的に変化させることより、宿主に有利な影響を与える難消化性食品成分」という定義が紹介されています。

少し難しいので、やさしく言い換えると、次の3つを満たすものです。

  1. 胃や小腸で消化・吸収されず、大腸まで届く
  2. ビフィズス菌など、役立つ菌に「選ばれて」エサになる
  3. その結果、健康に良い影響がある

代表的な成分と多く含む食品

成分多く含む食品
フラクトオリゴ糖玉ねぎ、ごぼう、アスパラガス、バナナ
イヌリン玉ねぎ、ごぼう、菊芋
ガラクトオリゴ糖牛乳や母乳に由来するオリゴ糖。加工食品に使われる
大豆オリゴ糖大豆、豆乳などの大豆製品

市販のオリゴ糖シロップや、イヌリンを加えた食品などもあります。

「食物繊維」とはどう違う?

プレバイオティクスの多くは、オリゴ糖や食物繊維の仲間です。ただし、食物繊維のすべてがプレバイオティクスというわけではありません。

プレバイオティクスと呼べるのは、役立つ菌に「選ばれて」利用されることが確かめられているものです。

たとえば、腸内細菌にあまり分解されない不溶性の食物繊維は、便のかさを増やす大切な役割がありますが、プレバイオティクスとは呼ばれません。

腸内細菌に分解されやすい食物繊維(発酵性食物繊維)については、次の記事で詳しく解説しています。

あわせて読みたい:発酵性食物繊維とは?イヌリン・β-グルカンなどの種類と多い食品

プロバイオティクスとプレバイオティクスの違い

2つの違いを、表で比べてみましょう。

比べるポイントプロバイオティクスプレバイオティクス
正体生きた菌菌のエサになる成分
役割菌そのものを腸に届ける腸にもともといる菌を育てる
代表例乳酸菌、ビフィズス菌オリゴ糖、イヌリン
多く含む食品ヨーグルト、乳酸菌飲料など玉ねぎ、ごぼう、バナナ、大豆など
熱に強い?熱に弱い(加熱すると多くが死んでしまう)比較的熱に強く、料理に使いやすい

プロバイオティクスは「菌を入れる」、プレバイオティクスは「菌を育てる」。

畑にたとえると、プロバイオティクスは「種や苗」、プレバイオティクスは「肥料」のようなものです。

プロバイオティクス(乳酸菌・ビフィズス菌)を種・苗、プレバイオティクス(オリゴ糖など)を肥料、シンバイオティクスを両方としてたとえた図。例としてヨーグルト、玉ねぎ・バナナ、ヨーグルト+バナナを表示

両方を組み合わせる「シンバイオティクス」

プロバイオティクスとプレバイオティクスを組み合わせたものを「シンバイオティクス」といいます。1995年に提唱された考え方です。

種と肥料を一緒にまくように、菌とそのエサを一緒に摂るという考え方です。毎日の食事では、たとえば次のような組み合わせがあります。

  • ヨーグルト+バナナ
  • ヨーグルト+オリゴ糖シロップ
  • ぬか漬け+玉ねぎの味噌汁

似た言葉のまとめ

言葉意味
プロバイオティクス健康に役立つ生きた菌
プレバイオティクス役立つ菌のエサになる成分
シンバイオティクスプロバイオティクスとプレバイオティクスの組み合わせ
ポストバイオティクス健康に役立つ、死んだ菌や菌の成分

毎日の食事への取り入れ方

プロバイオティクスとプレバイオティクスは、身近な食品から取り入れられます。

無理なく続けられるよう、いつもの食事に少しずつ取り入れる方法と、1日の組み合わせ例をご紹介します。

プロバイオティクスは「毎日少しずつ」

食べた菌の多くは腸にずっと住みつくわけではなく、数日かけて体の外に出ていきます。

そのため、一度にたくさんよりも、毎日続けて摂ることが大切です。

プレバイオティクスは「いつもの食材から」

玉ねぎ、ごぼう、バナナ、大豆製品など、身近な食材に含まれています。

味噌汁や炒め物に玉ねぎを加える、朝食にバナナを添えるなど、いつもの食事を少し変えるだけで取り入れられます。

1日の組み合わせ例

食事プロバイオティクスプレバイオティクス
朝食ヨーグルトバナナ、オリゴ糖シロップ
夕食ぬか漬け玉ねぎと豆腐の味噌汁、ごぼうのきんぴら

どちらかだけより、両方を組み合わせるとよいでしょう。さらに、野菜や豆、海藻などから食物繊維全体を摂ることも、腸内細菌にとっては大切です。

あわせて読みたい:腸活と食物繊維|1日の目安量と多い食品

商品を選ぶときの表示の見方

ヨーグルトを手にして表示を確認している女性

ヨーグルトや乳酸菌飲料、サプリメントを選ぶときは、次の点を確認しましょう。

表示見るポイント
菌の名前「乳酸菌」だけでなく、「○○菌 △△株」のように菌株名まで書かれているか
菌の量1本・1日分あたりにどのくらい入っているか
生きた菌かどうか「生きた」「殺菌」「加熱処理」などの表示
オリゴ糖や食物繊維プレバイオティクスに当たる成分が加えられているか
トクホ・機能性表示食品表示があれば、どんな働きが確かめられているかが書かれている
糖類・エネルギー加糖タイプは糖類が多い。毎日摂るなら無糖や低糖も検討

「乳酸菌入り」と書かれていても、菌株名や量がわからない商品もあります。 表示が詳しい商品ほど、中身を比べやすくなります。

酵素ドリンクなどの腸活ドリンクの選び方は、次の記事でも解説しています。

あわせて読みたい:腸活に酵素ドリンクは必要?乳酸菌飲料・甘酒との違い

取り入れるときの注意点

  • オリゴ糖やイヌリンは少しずつ:腸内細菌に分解されるときにガスが出るため、一度にたくさん摂るとおなかが張ったり、ゆるくなったりすることがあります
  • 過敏性腸症候群(IBS)の方:オリゴ糖やイヌリンなど発酵しやすい糖質で症状が出ることがあります。医師に相談しながら進めましょう
  • 治療中の病気がある方、免疫が弱っている方:菌のサプリメントを使う前に、医師や薬剤師に相談してください
  • 牛乳アレルギー・乳糖が苦手な方:ヨーグルト以外にも、豆乳ヨーグルトや漬物などの選択肢があります
  • 糖分の摂りすぎ:加糖ヨーグルトや乳酸菌飲料、オリゴ糖シロップのかけすぎに注意しましょう

プロバイオティクスとプレバイオティクスに関するよくある質問

プロバイオティクスとプレバイオティクスに関するよくある質問をまとめてみました。

Q. プロバイオティクスとプレバイオティクス、どちらが大切ですか?

どちらが上ということはありません。
菌を届けるのがプロバイオティクス、腸にいる菌を育てるのがプレバイオティクスで、役割が違います。食事では両方を組み合わせるのがおすすめです。

Q. 「生きて腸まで届く」菌のほうがいいのですか?

生きたまま届くことが確かめられている菌株もありますが、死んだ菌(殺菌乳酸菌)についても、健康への役立ちが研究されています。
「生きているかどうか」よりも、菌株名や量、確かめられている働きが表示されているかを見るのがおすすめです。

Q. どのくらい続ければいいですか?

菌は腸に住みつきにくいため、続けて摂ることが基本です。
新しく始めたものが自分に合うかは、2週間ほど続けて、おなかの調子をメモしてみると判断しやすくなります。(効果を約束する期間ではありません)

Q. サプリメントと食品、どちらがいいですか?

まずは、ヨーグルトや玉ねぎなどの食品からがおすすめです。
食品にはたんぱく質や食物繊維などほかの栄養も含まれます。サプリメントを使う場合は、表示を確認し、治療中の方は医師や薬剤師に相談してください。

Q. 納豆はプロバイオティクスですか?

納豆には納豆菌が含まれていますが、一般的な納豆が「プロバイオティクス」として認められているわけではありません。
ただし、納豆は発酵食品であり、食物繊維も多い食品です。腸活の食卓には取り入れやすい一品です。

まとめ|プロバイオティクスは「菌」、プレバイオティクスは「菌のエサ」

プロバイオティクスは乳酸菌・ビフィズス菌などの「菌」、プレバイオティクスはオリゴ糖・一部の食物繊維などの「菌のエサ」であることを表したイラスト
  • プロバイオティクスは、健康に役立つ生きた菌(乳酸菌・ビフィズス菌など)です。
  • プレバイオティクスは、腸の役立つ菌のエサになる成分(オリゴ糖・イヌリンなど)です。
  • 「菌を入れる」と「菌を育てる」。両方を組み合わせたものをシンバイオティクスといいます。
  • 発酵食品や食物繊維のすべてが、プロバイオティクスやプレバイオティクスに当たるわけではありません。
  • 商品を選ぶときは、菌株名・菌の量・糖類の表示を確認しましょう。

まずは「朝のヨーグルトにバナナを添える」ことから始めてみませんか。

参考情報

資料参考にした内容
腸内細菌学会 用語集「プロバイオティクス」プロバイオティクスの定義と語源、代表的な菌
腸内細菌学会 用語集「プレバイオティクス」プレバイオティクスの定義と条件、代表的な成分
腸内細菌学会 用語集「シンバイオティクス」シンバイオティクスの定義
腸内細菌学会 用語集「ポストバイオティクス」ポストバイオティクスの定義(2021年)
ISAPP「Prebiotic definition updated」(英語)プレバイオティクスの現在の国際的な定義(2017年)
消費者庁「特定保健用食品について」・「機能性表示食品について」トクホ・機能性表示食品の仕組み

免責文
本記事は、公的機関・学会などの信頼できる資料をもとに作成しています。
一般的な情報の提供を目的としており、医師の診断や治療に代わるものではありません。
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