PR

発酵性食物繊維とは?イヌリン・β-グルカンなどの種類と多い食品をやさしく解説

麦ごはん、豆類、ごぼうのおかず、りんごを並べた食卓で食事をする中高年女性 腸活と発酵食品

最近、「発酵性食物繊維」という言葉を、テレビや雑誌で見かけるようになりました。「普通の食物繊維と何が違うの?」「発酵食品と同じ?」と思った方もいるのではないでしょうか。

この記事では、発酵性食物繊維の意味と、イヌリンやβ-グルカンなどの主な種類、それぞれが多い身近な食品を、やさしく解説します。

3行でわかるこの記事の結論

• 発酵性食物繊維とは、大腸で腸内細菌に分解されやすい食物繊維のことです。
• 代表は、玉ねぎやごぼうのイヌリン、大麦やオーツ麦のβ-グルカン、果物のペクチンなどです。
• おなかが張りやすい人は、少しずつ試すのが大切です。

発酵性食物繊維とは?

発酵性食物繊維とは、大腸で腸内細菌に分解(発酵)されやすい食物繊維のことです。

食物繊維は、胃や小腸では消化されずに大腸まで届きます。その後、腸内細菌によく分解されるものと、あまり分解されずに便として出ていくものがあります。

前者が「発酵性食物繊維」です。

腸内細菌は発酵性食物繊維をエサにして、酢酸・プロピオン酸・酪酸などの「短鎖脂肪酸」を作ります。短鎖脂肪酸は、大腸の細胞のエネルギー源になるなど、腸にとって大切な物質です。

あわせて読みたい:腸内環境とは?腸内細菌の働きと年齢による変化

「水溶性・不溶性」とは分け方が違う

食物繊維は、よく「水溶性」と「不溶性」に分けて説明されます。発酵性は、それとは別の見方による分け方です。

分け方何で分けるか
水溶性・不溶性水に溶けるかどうか
発酵性腸内細菌に分解されやすいかどうか

水溶性の食物繊維には発酵されやすいものが多いものの、「水溶性=発酵性」ではありません。不溶性でも、レジスタントスターチ(後で説明します)のように発酵されやすいものもあります。

あわせて読みたい:腸活と食物繊維|1日の目安量と多い食品

「発酵食品」とはまったく別のもの

名前が似ていますが、発酵性食物繊維と発酵食品は別のものです。

発酵食品発酵性食物繊維
発酵する場所食品を作るとき(体の外)食べた後の大腸(体の中)
働く微生物麹菌、乳酸菌、納豆菌など自分の腸内細菌
例味噌、ヨーグルト、納豆大麦、玉ねぎ、りんご

納豆のように、発酵食品でありながら食物繊維も多い食品もあります。一方、ヨーグルトには食物繊維はほとんど含まれません。

あわせて読みたい:腸活に発酵食品がいい理由と選び方

主な発酵性食物繊維の種類

発酵性食物繊維には、いくつかの種類があります。代表的なものをまとめました。

種類多く含む食品特徴
イヌリン玉ねぎ、ごぼう、菊芋、にんにく、アスパラガスとても発酵されやすい。ビフィズス菌のエサになりやすい
β-グルカン大麦(押麦・もち麦)、オーツ麦(オートミール)水に溶けて粘りが出る。主食から摂れる
ペクチンりんご、みかんなどの柑橘類、ベリー類果物に多く、ジャムが固まるのもペクチンの働き
レジスタントスターチ(難消化性デンプン)豆類、冷ましたごはんやいも、完熟前のバナナでんぷんなのに小腸で消化されにくく、食物繊維のように働く
海藻の食物繊維(アルギン酸など)わかめ、ひじき、のり、昆布多くの日本人の腸内細菌は、海藻を分解する力を持っている
主な発酵性食物繊維の種類。イヌリン、β-グルカン、ペクチン、レジスタントスターチ、海藻の食物繊維と、それぞれを多く含む食品の例を表した図

イヌリンとは?

イヌリンは、果糖が鎖のようにつながった水溶性の食物繊維です。玉ねぎやごぼう、菊芋などに含まれています。

イヌリンは、腸内細菌にとても発酵されやすく、ビフィズス菌のエサになりやすいのが特徴です。 そのため、腸内細菌のエサになる成分として注目されています。

加工食品やサプリメントにも、チコリーなどから取り出したイヌリンが使われています。

ただし、発酵されやすい分、一度にたくさん摂るとガスが出ておなかが張りやすい成分でもあります(注意点の章で詳しく説明します)。

あわせて読みたい:プロバイオティクスとプレバイオティクスの違いとは?

冷ましたごはんには「レジスタントスターチ」が増える

ごはんやじゃがいもなどのでんぷんは、加熱したあと冷ますと、一部が消化されにくい形に変わります。

これが「レジスタントスターチ」です。小腸で消化されずに大腸まで届き、腸内細菌に発酵されます。

おにぎりやお弁当のごはん、ポテトサラダなどが身近な例です。

ただし、冷ましてもごはんのエネルギーが大きく減るわけではありません。

食べる量はいつもどおりで大丈夫です。また、冷ますときは常温で長時間放置せず、冷蔵庫などで衛生的に保存しましょう。

海藻と日本人の腸内細菌

東京大学などの2026年の研究では、9割以上の日本人の腸内細菌から、のりやわかめなどの海藻を分解する酵素の遺伝子が見つかったと報告されています。

海藻を食べる日本の食文化は、腸内細菌にも影響しているようです。

発酵性食物繊維を毎日の食事に取り入れるコツ

麦ごはん、豆のおかず、玉ねぎ入りの汁物、りんごを組み合わせた食事例

発酵性食物繊維は、特別な食品でなくても、いつもの食事から摂れます。食事ごとの取り入れ方の例です。

食事取り入れ方の例主な発酵性食物繊維
朝食オートミールにりんごやバナナをのせるβ-グルカン、ペクチン
昼食お弁当やおにぎりを麦ごはんでβ-グルカン、レジスタントスターチ
夕食玉ねぎとわかめの味噌汁、ごぼうのきんぴら、豆の煮物イヌリン、海藻の食物繊維、レジスタントスターチ
間食みかんやりんごペクチン

ひとつの成分にこだわるより、いろいろな食品を組み合わせるほうが、多くの種類の腸内細菌にエサを届けられます。

主食を少し変えるのが一番手軽

毎日食べる主食を工夫すると、無理なく続けられます。

  • 白米に押麦やもち麦を混ぜて炊く(最初は1〜2割から)
  • 朝食のパンを、時々オートミールに替える
  • お弁当やおにぎりを活用する

栄養成分表示には「発酵性」は書かれていない

加工食品の栄養成分表示には、「食物繊維」の合計量が書かれていることはありますが、「発酵性」かどうかは表示されていません。

商品を選ぶときは、原材料名(大麦、イヌリンなど)も参考にしましょう。

食物繊維全体の1日の目安量や、食品ごとの含有量は、次の記事でまとめています。

あわせて読みたい:腸活と食物繊維|1日の目安量と多い食品

発酵性食物繊維を増やすときの注意点

発酵性食物繊維を摂取する際の主な注意点は以下の通りです。

おなかが張るのは、発酵でガスが出るため

腸内細菌が食物繊維を発酵させるときには、短鎖脂肪酸と一緒にガスも出ます。

そのため、発酵性の高い食品を急にたくさん食べると、おなかが張ったり、おならが増えたりすることがあります。

新しい食品は1つずつ、少ない量から試しましょう。

張りがつらいときは、量を減らすか、別の食品に替えてください。水分も一緒に摂るようにしましょう。

過敏性腸症候群(IBS)の人はとくに注意

緊張やストレスでおなかを壊しやすい「過敏性腸症候群(IBS)」の人の中には、発酵しやすい糖質で症状が悪くなる人がいます。玉ねぎ、にんにく、イヌリンなどがこれに当たります。

こうした発酵しやすい糖質は「FODMAP(フォドマップ)」と呼ばれ、医療機関では、これを一時的に控える食事法が勧められることがあります。

「腸にいいから」と無理に食べ続けず、医師に相談しましょう。

イヌリンなどのサプリメントは量に気をつける

粉末のイヌリンなどは、食品より一度にたくさん摂りやすいため、おなかが張りやすくなります。使う場合は、商品の目安量より少ない量から試し、治療中の方は医師や薬剤師に相談してください。

(症状が続くときは受診を

強い腹痛、血便、吐き気、理由のわからない体重減少があるときや、便秘や下痢が続くときは、食事で様子を見ずに医療機関を受診しましょう。

発酵性食物繊維に関するよくある質問

発酵性食物繊維について、よくある疑問をまとめました。

Q. 発酵性食物繊維は1日に何g摂ればいいですか?

発酵性食物繊維だけの目標量は、国の基準では定められていません。
まずは食物繊維全体の目標量(40代・50代の男性22g以上、女性18g以上)を目安に、いろいろな食品から摂ることを心がけましょう。

Q. イヌリンはサプリメントで摂ったほうがいいですか?

玉ねぎやごぼうなどの食品から摂れば、ほかの食物繊維や栄養も一緒に摂れます。
サプリメントは一度にたくさん摂りやすく、おなかが張ることもあるので、まずは食品からがおすすめです。

Q. 冷やごはんは、温め直すと意味がなくなりますか?

温め直しても、レジスタントスターチがすべてなくなるわけではありません。
電子レンジで温めても大きくは減らなかったという研究報告もあります。冷たいごはんが苦手な方は、無理に冷たいまま食べなくて大丈夫です。

Q. 加熱した野菜でも発酵性食物繊維は摂れますか?

摂れます。食物繊維は、加熱しても多くが残ります。
煮物や味噌汁など、加熱するとかさが減ってたくさん食べやすくなるのも良い点です。

Q. おなかが張るのは、腸内細菌が働いている良い証拠ですか?

発酵でガスが出るのは自然なことですが、張りが強いときやつらいときは、量や食品が合っていない可能性があります。
無理に続けず、量を減らすか別の食品に替えましょう。

まとめ|身近な食品から無理なく取り入れよう

麦ごはん、豆と野菜の副菜、焼き魚、ごぼう、りんごを組み合わせた食卓
  • 発酵性食物繊維とは、大腸で腸内細菌に分解されやすい食物繊維のことです。
  • 「水溶性・不溶性」とは別の分け方で、「発酵食品」とも違うものです。
  • 代表は、イヌリン(玉ねぎ・ごぼう)、β-グルカン(大麦・オーツ麦)、ペクチン(果物)、レジスタントスターチ(豆・冷ましたごはん)、海藻の食物繊維です。
  • 主食に大麦を混ぜるなど、いつもの食事を少し変えるだけで取り入れられます。
  • おなかが張りやすい人や過敏性腸症候群の人は、少しずつ試し、必要に応じて医師に相談しましょう。

参考情報

免責文
本記事は、公的機関・学会などの信頼できる資料をもとに作成しています。
一般的な情報の提供を目的としており、医師の診断や治療に代わるものではありません。
気になる症状がある場合は、医療機関にご相談ください。(詳しくは「運営者情報・編集方針」をご覧ください)
腸活と発酵食品
シェアする