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補酵素とは?酵素との違い、ビタミンB群・コエンザイムQ10との関係をやさしく解説

補酵素と酵素の関係や食生活について学ぶ40代女性 酵素の基礎知識

「コエンザイムQ10」という名前を聞いたことはありませんか?実は「コエンザイム」とは、日本語で「補酵素」のことです。

補酵素は、酵素が仕事をするために欠かせない「助っ人」です。

そしてその多くは、私たちが毎日の食事から摂っているビタミンから作られています。

この記事では、補酵素の役割とビタミンとの関係、コエンザイムQ10の正体を、やさしく解説します。

3行でわかるこの記事の結論

•補酵素は、酵素の仕事を支える「助っ人」です。酵素によっては、補酵素がないと働けません。
• 補酵素の多くは、ビタミンB群を材料に体の中で作られます。
• 特別なサプリより、肉・魚・卵・大豆・穀類をまんべんなく食べることが基本です。

補酵素とは?酵素の仕事を支える「助っ人」

補酵素とは、酵素と組んで化学反応を進める、小さな分子のことです。英語では「コエンザイム(coenzyme)」といいます。

酵素は体の中の反応を進める「仕事人」ですが、仕事人だけでは仕事ができない場合があります。そこで必要になるのが補酵素です。

たとえるなら「大工さんと道具」

酵素を大工さんとすると、補酵素はその手に持つ「道具」のようなものです。どんなに腕のいい大工さんでも、釘やノコギリがなければ家は建てられません。

補酵素は、反応に必要な部品を運んだり受け渡したりして、酵素の仕事を支えています。そして仕事が終わると元の形に戻り、また次の反応で使われます。

大工さん(酵素)が道具(補酵素)を持って家を建てるイラスト。

すべての酵素が補酵素を必要とするわけではない

たとえば、消化酵素のアミラーゼやペプシンは、補酵素なしで働くことができます。一方、栄養からエネルギーを取り出す代謝の酵素の多くは、補酵素がないと働けません。

つまり、補酵素がとくに活躍するのは、食べたものをエネルギーに変える場面です。

酵素の体内での働きは、こちらで詳しく解説しています。

あわせて読みたい: 酵素の体内での働きとは?

酵素・補酵素・補因子の違い

酵素を助ける補因子が補酵素とミネラルに分かれる関係を示す図

酵素の助っ人には、補酵素のほかにミネラルもあります。これらをまとめて「補因子(ほいんし)」といいます。

酵素補酵素ミネラル(補因子)
役割反応を進める主役酵素の助っ人酵素の助っ人
正体たんぱく質小さな有機化合物金属などの無機質
体での作られ方アミノ酸から作られる多くはビタミンから作られる体内では作れないので食事から摂る
例アミラーゼ、ペプシンNAD、コエンザイムA、コエンザイムQ10マグネシウム、亜鉛、鉄

つまり、酵素の材料はたんぱく質、補酵素の材料はビタミン、もう一つの助っ人はミネラルという関係です。酵素がしっかり働くには、この3つがそろっていることが大切になります。

「ビタミン=補酵素」ではない

ビタミンと補酵素は混同されやすいのですが、同じものではありません。

食べ物から摂ったビタミンは、体の中で形を変えてから補酵素として働きます。また、すべてのビタミンが補酵素の材料になるわけでもありません。

補酵素と深く関わっているのは、主にビタミンB群です。ビタミンAやDなどは、また別の形で体を支えています。

ビタミンB群は補酵素の材料

ビタミンB群は8種類あり、その多くが体の中で補酵素に姿を変えて働きます。

それぞれの役割と、多く含む食品をまとめました。

ビタミン補酵素としての主な役割多く含む食品の例
ビタミンB1ご飯などの糖質をエネルギーに変える豚肉、うなぎ、玄米、大豆
ビタミンB2脂質や糖質をエネルギーに変えるレバー、卵、乳製品、納豆
ナイアシンエネルギー作り、アルコールの分解かつお、まぐろ、たらこ、鶏むね肉
パントテン酸糖質・脂質・たんぱく質の代謝をつなぐ鶏レバー、納豆、きのこ
ビタミンB6たんぱく質(アミノ酸)を作り変えるかつお、まぐろ、鶏肉、バナナ
ビタミンB12赤血球や神経の働きを支えるしじみ、あさり、レバー、魚
葉酸新しい細胞を作るほうれん草、ブロッコリー、枝豆
ビオチンエネルギー作り卵、レバー、ナッツ
表を見ると、ビタミンB群の多くが「エネルギー作り」に関わっていることがわかります。

食べたものを活動のエネルギーに変えるには、ビタミンB群から作られる補酵素が欠かせないのです。

40代から気にかけたいビタミンB群

  • ご飯や麺、甘いものが多い人:糖質をエネルギーに変えるにはビタミンB1が必要です。主食に偏りがちな人は、豚肉や大豆製品を一品足しましょう
  • お酒をよく飲む人:アルコールの分解にもビタミンB群が使われます。飲酒量が多いと、ビタミンB1が不足しやすくなります
  • 年齢を重ねた人:胃酸の分泌が減ると、ビタミンB12が吸収されにくくなることがあります

水に溶けやすいので「毎日」「汁ごと」

ビタミンB群は水に溶けるビタミンで、体にためておくことができません。まとめて摂るより、毎日の食事で少しずつ摂るのが効果的です。

また、調理中に煮汁に溶け出しやすいため、味噌汁やスープにして汁ごといただくのがおすすめです。

豚汁は、ビタミンB1を無駄なく摂れる代表的なメニューです。

コエンザイムQ10とは?

コエンザイムQ10は、体の中でエネルギーを作るときに働く補酵素の一つです。

健康食品や化粧品でよく知られていますが、もともとは私たちの体の中にある成分です。

ビタミンB群との違い:体の中で作れる

ビタミンB群から作られる補酵素と違い、コエンザイムQ10は体の中で作ることができます。また、肉や魚などの食品にも含まれています。

もともとは医薬品だった

日本では、コエンザイムQ10は心臓の病気(うっ血性心不全の症状)の治療に使われる医薬品でした。

その後、食品としても販売できるようになり、サプリメントが広く出回るようになりました。

サプリの効果と注意点

国の研究機関である医薬基盤・健康・栄養研究所は、コエンザイムQ10について次のようにまとめています。

  • 疲労回复や肥満の解消、美容への効果には、十分な根拠がない
  • 吐き気や下痢などの胃腸症状が出ることがある
  • 血液を固まりにくくする薬(ワルファリン)の効きを弱めた例がある
  • 医薬品の1日量(30mg)を超える量を含む健康食品も多く出回っている

出典:医薬基盤・健康・栄養研究所「コエンザイムQ10|「健康食品」の安全性・有効性情報」

薬を飲んでいる方、とくに血液をサラサラにする薬を飲んでいる方は、使う前に医師や薬剤師に相談しましょう。

NADとNMNは補酵素とどう関係する?

NMNなどの材料から補酵素NADが作られ酵素反応を助ける関係

最近話題のNMNも、補酵素と関係があります。ただし、NMNそのものは補酵素ではありません。

NADNMN
正体エネルギー作りなどに働く補酵素NADを作る途中の材料の一つ
体での作られ方ナイアシンなどから作られる体の中でも作られる

NADは、ビタミンB群の表にあった「ナイアシン」から作られる補酵素です。

NMNはそのNADを作る途中に現れる物質で、サプリメントとして研究が進められていますが、健康効果はまだ研究段階です。

あわせて読みたい: NMNとは?NADとの違い・酵素との関係と体内での役割

補酵素のサプリは必要?

食事を基本としてサプリメントを補助的に利用する考え方

普段の食事がとれている健康な人なら、補酵素のためにサプリメントを飲む必要はありません。

ビタミンB群は、肉・魚・卵・大豆製品・穀類など、さまざまな食品に含まれています。主食・主菜・副菜をそろえた食事を心がければ、必要な量を摂ることができます。

多く摂っても代謝が上がるわけではない

補酵素の材料をたくさん摂っても、その分だけエネルギー作りが活発になるわけではありません。

足りている状態でさらに摂っても、水に溶けるビタミンB群は尿として排出されます。

サプリを検討してもいいのはこんなとき

  • 食事の量が少ない、偏りがちな状態が続いている
  • 医師から貧血やビタミン不足を指摘された
  • 胃の手術などで、栄養が吸収されにくい

このような場合も、自己判断ではなく医師や管理栄養士に相談してから使いましょう。

複数のサプリを飲むと、同じ成分を重ねて摂りすぎることがあるので、成分表示も確認してください。

補酵素に関するよくある質問

補酵素と酵素・ビタミン・サプリメントとの関係について、疑問に感じやすいポイントをまとめました。

Q1.補酵素と酵素の違いは?

酵素が仕事をするために必要な「助っ人」です。
多くはビタミンB群を材料に、体の中で作られています。

Q2. 補酵素と酵素の違いは?

酵素はたんぱく質でできた反応の主役、補酵素はそれを手伝う小さな分子です。
大工さんと道具のような関係です。

Q3. 補酵素とビタミンは同じですか?

同じではありません。
ビタミンB群の多くは、体の中で形を変えてから補酵素として働きます。また、すべてのビタミンが補酵素の材料になるわけではありません。

Q4. コエンザイムQ10のサプリは飲んだほうがいいですか?

コエンザイムQ10は体の中で作られており、疲労回复や美容への効果には十分な根拠がありません。
薬を飲んでいる方は、使う前に医師や薬剤師に相談しましょう。

Q5. 補酵素を摂るには何を食べればいいですか?

補酵素の材料になるビタミンB群は、豚肉、魚(かつお・まぐろ)、卵、納豆、玄米などに多く含まれます。豚汁のように汁ごといただく料理がおすすめです。

まとめ|補酵素は毎日の食事から生まれる「酵素の助っ人」

補酵素の働きを支える栄養バランスのよい食事

補酵素は、酵素が仕事をするために欠かせない助っ人です。その多くは、私たちが食事から摂るビタミンB群を材料に、体の中で作られています。

  • 補酵素は酵素の「道具」。とくにエネルギー作りで活躍する
  • 酵素の材料はたんぱく質、補酵素の材料はビタミン、もう一つの助っ人はミネラル
  • ビタミンB群は豚肉、魚、卵、納豆、玄米などに多い
  • コエンザイムQ10も補酵素の一つ。体の中で作られ、サプリの効果は限定的
  • 健康な人なら、補酵素のためにサプリを飲む必要はない

まずは今週の献立に、豚汁や納豆ご飯を一度加えてみましょう。

あわせて読みたい: 酵素とは?40代から知っておきたい基礎知識

参考資料

資料裏づける箇所
医薬基盤・健康・栄養研究所「コエンザイムQ10|「健康食品」の安全性・有効性情報」コエンザイムQ10の役割、医薬品としての使用、有効性と安全性
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書」ビタミンB群の役割、飲酒や加齢との関係
文部科学省「食品成分データベース」(日本食品標準成分表(八訂)増補2023年)ビタミンB群の表の食品例
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本記事は、公的機関・学会などの信頼できる資料をもとに作成しています。
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